サンダ対ガイラ

またDVDで特撮作品を見ました。「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」です。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ [DVD]

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ [DVD]

1966年公開。子供の頃に映画館で見まして、とても怖かった記憶があります。実のところどのくらい怖かったのかなぁ、とずっと気になっていましたが、この度ようやく見ることができました。DMM.comのおかげです。ありがたや、ありがたや。
若い皆さんには「フランケンシュタイン」という言葉自体、なじみがないかもしれませんねぇ。これ、「狼男」、「ドラキュラ」と並ぶ、洋もの怪奇映画の古典的作品。(だから「怪物くん」*1のお供が、この3者なんですよね。)フランケンシュタイン博士が作った人造人間(死体をつなぎ合わせて作った)の、恐ろしくも哀しいお話です。90年代にも映画化されているので、皆さんご存じかも?
さて、そのフランケンシュタインの理論(?)はさまざまな作品に使用されることとなりました。優れた古典作品はいろいろなところに引用されるものです。そのような作品の一つが、この「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」です。
元々はドイツから取り寄せたフランケンシュタインの不死の心臓*2で、この細胞、どうやら自ら増殖していくようです。なんだかんだで山で育ったサンダの細胞が海に流れ、育ったのがガイラ、というわけで、ネーミングも「山」と「海」の音読み+αです。両者は、親子に近い関係なんですね。(長いこと、兄弟だと思っていました。)この映画、まぁ一言で言っちゃうと、このサンダとガイラの親子喧嘩の話です。(身も蓋もないですねぇ…)性格は対照的で、比較的温厚なサンダ、凶暴なガイラという設定です。特にガイラは人間を食べる嗜好があり、サンダはそれを快く思っていない、というのが対立の軸です。(と、子供心に思っていたのですが、なんとなく合っていたような気がします。)
サンダが夜行性なので夜のシーン(=暗い画面)が多いこと、造形がグロテスクであること、人食シーンがあること、等、子供には刺激が強すぎる内容で、現在ならR15指定くらいになるかもしれません。でも…これは思いこみかもしれませんが、映画館で見た時にはもっとはっきりした人食シーンがあった気がするのです。DVD化する時にカットになったかもしれません。でも…記憶は作られることがありますので、本当にそれがあったかどうかはわかりません。(どなたか見た人いませんか?)
見てみた感想ですが、うーん、当時これよく作ったなぁ、というのがまず。次は、子供に見せたら怖がりそうだな、あんまり見せたくないなぁ、と思いました。怖いってことは、それだけ特撮が良くできているって事なんですけどね。ちなみに特撮と言えば、その後、東宝の特撮に良く出てくる「メーサー殺獣光線車」は、この映画がデビューとのことです。伊福部昭の音楽も素晴らしく、特撮ファンなら一度は見ておきたい作品であることは間違いありません。

ちなみに、最近まで知らなかったのですが、この作品は東宝の前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」の姉妹編だそうです。これから見てみなくちゃ。あの「怪獣総進撃」で影が薄かったバラゴンがどんなだったか、見てみなくちゃ。よーし、また借りるぞー。


余談ですが…一時期、リキマニさん(id:liquidmaniacs)とマメにメールをやりとりしていました。そのメールの締めの一言に、熊井ちゃんの「サンバイザー!」をもじった挨拶をしていたのです。「三寒四温!」とか「参勤交代!」とか。ある時、リキマニさんが書いたのが、これだったのです。『なんでこんなん知ってるんだー!?』と、深夜なのに爆笑しました。


   では、サンダ対ガイラ!

*1:藤子不二雄A原作の漫画・アニメ。主人公の怪物くんは怪物ランドの王子。お供のドラキュラ・狼男・フランケンは代表的な西洋の怪物。ちなみに、「珍遊記」のザーマス・ガンス・フンガーはこれらのパロディで、それぞれの口ぐせからとられています。

*2:戦時中に日本軍が「不死身の兵隊」を作ろうとしたらしいです。