Buono!コンの翌朝、いつものように上野のカプセルホテルで目覚めました。さて今日は用事もないし、また映画でも見ようかと思いましたが、どんな映画が上映中なのかも知らず、たまたまホテルのロビーにあったパソコンで検索してみました。すると、宇宙開発の記録映画「宇宙(そら)へ。」というのがありました。場所は有楽町と近いですし、何よりも昨日今日に限り\500で見られる、ということで、これに行くことに決めました。
有楽町で下りるのは何年ぶりでしょう?ずいぶん昔に、当時は珍しかった天文関係の輸入商品の販売店に行った記憶があります。
駅からゆっくり歩いて10分ほどで映画館を見つけました。まだ開いていない時間ですが、既に列ができています。これも\500のおかげでしょうか?しかし、まだ09:30だというのに、暑いなぁ…。
映画は、NASAの記録映像をつないで行ったドキュメンタリーで、実写ならではの迫力があります。特に、ロケット打ち上げの失敗シーン、爆発して四散するシーンは、あまり見たことがないので度肝を抜かれました。一方で、60年代初頭からカラーで記録映像をとり続けていることに驚嘆に値します。
人工衛星一番乗りも、人間の宇宙一番乗りもソ連に持って行かれ、アメリカにとってはその反動も大きかったかもしれません。逆に、宇宙開発の夢を持つ人にとっては、「国に大計画を決断させるチャンス」だったのかもしれません。「60年代のうちに月に人類を送り込む」という宣言で有名な、当時のケネディ大統領も、最初は乗り気でなかったという話もあります。1961年4月12日にガガーリンが初の有人宇宙飛行に成功し、おそらくそれに刺激されて、同年5月25日にケネディが議会で演説をしています。こういった国家同士の「意地の張り合い」は、結果として科学技術(軍事技術を含む)の進化に大いに影響を与えるものです。
さて、あらためて映画を見て感じたことです。アポロの月面計画、それは一気に進んだわけではなく、一歩ずつ、一段ずつ、少しずつ経験を積み、成功させたものであること。一人乗りのマーキュリー計画、二人乗りのジェミニ計画、そして宇宙船がようやく3人乗りになり、初めて3人の宇宙飛行士が飛んだのはアポロ7号でした。(6号以前は無人試験など)その後も常に「初めての経験」を積んでいきます。8号では初めて人間が月を周回し、9号では地球周回軌道で初めて月着陸船を使用、10号では月周回軌道で本番のリハーサル、そして11号で本番の月面着陸となります。ここまで一つ一つの計画が全て初めてのことで、全て成功しています。もし一つでも失敗があったら、「60年代に月に人類を」という計画は間に合わなかったことでしょう。今さらながら、たいへんな計画だった事がわかります。
アポロ11号の時代ですが、現在のラップトップコンピュータ(ノートパソコン)に相当する性能は、「トラック1台分のコンピュータ」だったそうです。もちろん携帯電話もインターネットもなく、技術には隔世の感があります。こういう技術の進化にも、おそらくアポロ計画とその関連のさまざまなプロジェクトがそれぞれの役目を果たしていったのです。
昔話を始めるとキリがありませんが、自分がインターネットの世界に入ってまだ10年少し、その前はパソコン通信と言う世界がありました。それも最初は通信速度が300bps。私が始めた頃で1200bps。受信すると同時に文字がそのまま読めるという速度でした。やがて2400bps、すぐに14400bpsと速度が上がり、今や桁違いの47M(下り最大)です。基地局から遠いので、時々、動画が止まってしまったりしますが…。昔は動画をリアルタイムで見るなんてとても考えられませんでしたし、動画(それも小さな画面の…)のデータファイルをダウンロードするのに何時間もかかったりしました。本当に、隔世の感がありますねぇ。
今年は、ガリレオが望遠鏡を天体に向けてから400年、NASA設立から50年、アポロの月着陸から40年という節目の年で、世界天文年でもあります。この機会に、この映画でアポロの事を知ってみませんか?