もしも…

今日、月に一度の天文仲間との会合だったのです。お互いに近況報告などし合うわけでして、まぁいろんな話が出るわけです。新疆ウイグル自治区で見た皆既日蝕の話だの、大阪の日本橋に行ったら秋葉原に初めて行った時みたいな感覚だったとか、自宅の樽でバーボンを寝かせた話(これは良いですね!w)とか…。で、話しているうちに思わぬ方向に発展して行くこともままありまして、それはそれでとても楽しいことなんですよね。
その中で、「もしもトーク」。日本の古いSF映画で「妖星ゴラス」というのがあるんですが、とても引力の強い星が接近してきて地球が危機に陥り、それを回避するために地球の軌道を変える、という奇想天外なストーリーなんです。その中で、南極に巨大なロケット噴射口を作り、これを噴射して地球の軌道を変える、という有名なシーンがあります。「本当にそんな事が可能か?」という話は置いといて…話題になったのは…

  • どうやって軌道を戻すんだろう?

反対側の北極に同じようなロケット噴射口を…っていう手は、映画中でも描かれていますが、「陸地がないので非常に難しい」わけです。かといって極地以外は、自転の影響を受けてコマの首振り運動のようになってしまい、宇宙空間にらせんを描くことになってしまいます。う〜ん、良いアイデアがあったら教えて下さい。で、次に考えたのは…

  • 元に戻す必要があるのか?

太陽との平均距離はおそらく大きく変わらないでしょう。地球の軌道傾斜角が変わっただけです。このままでも人類の暮らしはさほど困らないと思われます。ただ、天文学者は大騒ぎになる事間違いありませんけど。天球の座標の原点の一つ、地球の軌道が変わってしまうわけですからねぇ。

  • じゃぁ、さらに噴射を続けて1回転させれば良いんじゃない?
  • 半分で止めるのも面白いよね。南半球の星座が見られるようになるし。
  • ついでに、地軸の傾きも直しちゃいましょうよ。


・・・人類の皆さん、この人たち、ダメです・・・www


天文好きとして言えば、まず、日食が見られる回数が激減するぞ。それに今までの予報が全て役に立たなくなるし。いやその前に、映画では、月はゴラスの引力(潮汐力)で壊れてなくなっちゃうんだったかな?
黄道(太陽の見かけ上の通り道)が変わっちゃうわけですから、星占い屋さんも困るでしょうね。占いに使う星座がほとんど変わっちゃう。今まで積み上げたもの(そんなもんあるのか?)が全てパーです。いやこれは占い業界にとっては良い事ですよ。きっとホンモノだけ残るに違いない。ってか、残るのはデータが充分蓄積された100年以上あとだと思うけど。
今まで日本では見えなかった星座が見えるようになる、っていうのはエキサイティングですね。でも反対に見えなくなる星座もある、ということは寂しいものがあります。当然、今までの北極星北極星でなくなりますし、季節の星座も違ってくるし、教科書もあれこれ書き直さなくてはいけませんね。いやぁ、こりゃ大変だよ。結局、やっぱり何とかして軌道を戻してくれないかな…ってことになりそうな気がしますね。